具体性のない賦課金の発生の可能性は瑕疵ではない・最高裁

 こんな事件がありました。

 

 平成10年、買主らは売主から約2400万円で仮換地指定の土地を取得したところ、土地区画整理組合は、平成10年から保留地の分譲を開始したが、販売状況は芳しくなく、平成13年、区画整理事業に要する経費に充てるため、総額24億円の賦課金を組合員に課する旨を総代会において決議しました。

 

 その結果、土地所有者は、約400万円が徴収されるなど、多額の賦課金が課されることとなり、買主らは売主に対して、重要事項の説明義務違反による損害賠償訴訟を起こしました。

 

 最高裁は、次のように判決しました。

 

 「本件各売買の当時においては、賦課金を課される可能性が具体性を帯びていたとはいえず、その可能性は飽くまで一般的・抽象的なものにとどまっていたことは明らかである。

 したがって、本件各売買の当時、賦課金を課される可能性が存在していたことをもって、本件各土地が本件各売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず、本件各土地に民法570条にいう瑕疵があるということはできない。」(平成25年03月22日、最高裁裁判長・千葉勝美)

 「本件に限らず、具体性がなく、将来の一般的・抽象的な瑕疵の発生する可能性は、不動産の瑕疵ではない」ということが大切です。

 

 また、売主が継承するのは、先に述べた「清算金」のところは「清算金または賦課金」として特約に付加しておくことが大切です。


 

 

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2024年02月13日