4. 住宅性能インスペクション
住宅性能のインスペクションについては、インスペクション付き住宅ローンなどがあり、現在、トラブル防止に役立っています。問題は、インスペクションの結果、検査対象外の個所で、多額の補修費用が発生することがあり、売主がその補修工事費用に対応できないことによるトラブルがあることです。このトラブル防止対策には、「補修工事費用が50万円未満(金額設定は自由)については売主負担(又は買主負担)、この金額を超える場合は白紙解除」とする特約が有効です。「費用の負担者は、検査費用は買主、補修費用は売主」というのが交渉しやすいでしょう。
5. 境界確認インスペクション
敷地境界確定作業の際に、隣接地主の同意が得られないため、契約を続行できないことがあります。敷地境界標が発見できない場合では、「売買契約締結後、売主は速やかに、土地家屋調査士に依頼をして、境界標を設置することとする。万一、隣地所有者の同意が得られず、境界標を設置できない場合は白紙解除とする。」という特約が必要です。
このトラブル防止対策では、「契約締結前の境界確認作業」が最も安全です。
6. 4種類のインスペクション特約
ここまで述べてきましたインスペクション特約の種類には、①「契約締結前の実施」、②「法令基準値未満は受忍限度」、③「補修費用の一定金額未満は受忍限度」、④「検査報告書取得後3日間に限り書面による白紙解除」など、4種類の特約があることを知っていれば、取引条件を考慮して、売主や買主を説得しやすいかもしれません。