ところで、宅建業法では重要事項の説明義務項目として、建築基準法に関するものは38条項(令和6年5月31日現在)あります。
その最も若い条項は、建築基準法第39条第2項「災害危険区域」であり、その次は、第43条「敷地等と道路との関係」、そして、第45条第1項「私道の変更又は廃止の制限」へと続きます。
そうすると、肝心の第42条の項目はありません。
ここが問題ですね。
また、一方で、国土交通省は「宅地建物取引業の解釈・運用の考え方」において、「売買重要事項説明書の様式」を一般公開していますが、その様式には、法第42条などの記載説明箇所は、ありません。
つまり、宅建業法で定める売買重要事項説明書の記載説明項目に、建築基準法第42条第1項第1号から第5項、同法42条第2項などについての記載説明義務項目がないのです。
しかし、不動産業界団体の書式には、記載説明項目を設けています。
このことが、とても大切です。
同法第43条の「敷地等と道路との関係」では、建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない、としています。
この道路とは、建築基準法上の道路のことで、「敷地は基準法上の道路に2m以上接しているか否か」を説明せよ、と言っているのです。
この条件が満たされなければ、原則的に、目的の建築物の建築はできません。
そうすると、「建築基準法第42条第1項第1号の該当の有無」などのそれ自体が、調査の目的ではなく、「敷地は基準法上の道路に2m以上接しているか否か」、「目的の建築物が無事に建築できるか否か」などの目的のための調査として、初めて意味を持つことです。
前回、述べた裁判事例は、「建築物が建築できるか否か」を考えずに、「法42条第1項第5号に接していないこと」を問題としたため、争われた事件と言えます。
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