近々に売買契約を予定しているときは、契約を無事に遂行できるように、最終的な重要事項調査によって取引の安全を図ることが必要です。本節では、「売主による境界の明示」に関する確認調査について述べます。
1. 境界の調べ方
境界の確認のためには、境界標を探すことから始めます。法務局から取得した公図を観察すると、そこに記載された取引対象地の隣接地が空白の場合があります。また、左右に分割された分割公図で、中心部分が空白の場合があります。このままでは、周囲の隣接地の土地の形状が分からず、四角い土地であっても境界点が4点とは限らず、他にも境界点が出てくるかもしれません。このような場合は、市区町村役場の固定資産税の調査担当課に行きます。「地番図」または「土地調査図」と呼ばれているものを請求します。これは、固定資産税を課税する際に法務局の公図を参考に、市区町村役場が独自に作成したものです。これを見れば、空白の部分の地番が明らかになり、敷地が接する箇所の個数を確認することができます。