地積測量図がまったく存在しない場合もあります。
こんな事例がありました。
愛知県岡崎市で、広告には,「公簿177㎡(53.54坪),価格3640万円,3.3㎡単価68万円」との記載がある“公簿売買”の売地です。
坪単価の表示があるため坪単価交渉が行われ、坪単価65万円に値下げして、契約、引渡が終わりました。
買主は、住居を新築するために土地を測量したところ,実測面積が167.79㎡であり,売買契約書の表示面積177㎡に9.21㎡不足することが判明し、トラブルになりました。
平成13年11月22日、最高裁は、「零細宅地における開差5%を超える実測面積と公簿面積との食違いは,売買契約の当事者にとって通常無視し得ない」と、売主の責任を認めました。公簿売買であっても、坪単価交渉が起きれば、後日の実測面積の誤差が5%未満でなければならない、としています。
地積測量図が存在しない場合は、現況面積と登記簿面積との差異を調査することが大切です。
手順的には、敷地周囲の現況寸法を簡易計測し、敷地現況図を作成し、縦と横の寸法の平均値を掛け合わせる概算面積の計算方法があります。
この方法により、概ね、登記簿面積との差異を確認して説明をすることができます。
今回の事例は、測量図がないにもかかわらず、重要事項説明書に、あたかも、実測面積があるような表現で、説明がされており、しかも、その面積を前提に売買代金を算出する方法で、坪単価交渉が行われてしまったのです。
坪単価交渉が入る、ということは、その面積が存在することが前提ですから、その肝心の面積が違っていたら、トラブルになりますよね。
こんなケースでは、後のとっらぶる防止のため、売買契約書特約において、「取引の交渉過程で、坪単価交渉が入りましたが、面積は、未定のため、現況にて売買代金総額として価格を決定したものです。」といった、説明追加が必要となります。
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