現地で疑問を感じない人は役所調査をしていない!

 物件が所在する現地の周辺にたどり着くまでの間に、周辺環境を観察することから現地調査は既に始まっています。


 第一に、「物件の周囲は山々に囲まれていて、景観が素晴らしい!」というとき、物件所在地は谷間に位置している可能性が高いので、「大雨の際には浸水被害があるかもしれない」と、疑問に感じることが大切です。

 

 同じように、「物件の周囲には田園地帯が広がり、住宅の戸数も少なく閑静な住宅地!」という場合は、あなたは安心しますか?農薬を使用した田畑も数多くあります。こういう地域は、住宅が少ないため水道が来ておらず、井戸水を飲料水にしてるため、「農薬に含まれる窒素などが井戸水を汚染しているかもしれない」と、疑問に感じて、役所では井戸水の土壌汚染の記録を調査しよう、考えることが大切です。

 

 また、「近隣に大きな都市公園があるが、公園を取り囲むブロック塀が少し傾いている!」という場合、「子供が遊べる場所があるので快適な環境である!」、「市区町村が管理しているので、いずれ修復され、安心!」と考えますか?「このような地域は、地盤が軟弱な場合が多い」ので、「建築する際に、余分な基礎工事費用がかかるかもしれない」と、疑問に感じることが大切です。

 

 また、物件の周囲は、隣地との間に敷地高低差がある場合や住宅地全体が傾斜地である、というような場合、宅地造成規制区域内にあるかもしれません。

 「敷地周囲の隣地高低差の数値や擁壁の高さは、基準内かどうか」と、疑問に感じることが大切です。宅地造成規制区域内では、1mを超える盛土や切土となる工事は許可が必要です。

 

 また、住宅街が、碁盤の目のようにきれいに整理されているときは、土地区画整理事業による区画整理が行われているかもしれない、と考えます。

 区画整理中であれば、仮換地図、終了していたら換地図や座標計算書などのデータが役所や管轄組合に保存されているかもしれない、と考えておきます。

 これらの書類があれば、物件の地積測量図の代わりになります。また、4~5件以上の分譲地形式の住宅地の場合は、開発許可で造成された物件かもしれません。

 

 完了検査がなかった場合は、そこに住宅の新築ができないかもしれない、と疑問に感じることが大切です。

 また、目的の住宅地の環境は、緑に囲まれていて同じ種類の樹木が立ち並び、各住宅の敷地には同じ種類の植木が立ち並び、きれいな住宅地となっている、という場合は、緑地協定が結ばれているかもしれない、と疑問に感じることが大切です。

 

 「敷地内の樹木を勝手に切ると、罰金などがある」かもしれませんね。このように、現地にたどり着くまでに、これはどのような問題があるのだろう?と、疑問に感じることが大切です。

 

 現地を見た人が何も感じなかった場合は、役所に行っても質問をしません。

 

 現地調査では、疑問に感じることから始まります。

 

 

 

 

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「開発文書・お客様のための取引のしおり」2024年12月版

「千葉市との協力文書・都市計画法・建築基準法その他法令の制限の概要」

「開発文書・災害時にも対応する私道の念書」

「法令・2023.4.1施行・法務省通達 抜粋(買戻特約の抹消)

「法令・2012.4月施行・森林法・所有者変更届出義務パンフ 」

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2024年12月10日