公図には現地照合調査義務はない!

 

 不動産の重要事項説明の調査の際に、入手した書類には、2種類の書類が含まれています。

 一つは、「現地照合調査をする義務を負わない書類」であり、あと一つは、「必ず、現地照合調査をする義務を負う書類」です。

 

 最初の現地照合調査の義務がない書類とは、どのような書類でしょうか?

 

 それは、言うまでもなく、「証拠能力がない」書類です。

 

 例えば、公図の内で「地図に準ずる図面」は、「証拠能力がない」とされています。

 

 最高裁では、公図について、以下のように、判決をしています。

 「所論は、法務局保管に係る公簿附属の公図の証拠力は排斥できないことをいうが、公図であつても絶対的証拠力を有するものではなく、的確な証拠により右図面の記載に誤りがあることを認めることを妨げないから(昭和三二年(オ)第七九三号、昭和三六年九月二一日第一小法廷判決、最高裁判所裁判集民事五四号二八五頁参照)、原判決が所論公図を挙示の証拠に対比して証拠として採用しなかつた点に所論違法は存しない」(昭和38年12月10日、最高裁裁判長:石坂 修一)

 

 このように、「公図には証拠能力はない」としています。

 

 証拠能力がないため、仮に、現地と公図とを照合した際に、現況と相違がある場合は、いずれかが間違っていることになります。「現況の土地なのか公図の方なのか」ということです。

 

 これは、将来、国土調査等が実施された際に、明らかになります。そして、現時点では、「将来において、瑕疵が存在する可能性がある」という状況です。

 

 瑕疵が現時点で、具体的に存在しておらず、「将来の瑕疵の存在の可能性は瑕疵ではない」という話を、前回のページで説明しました。

 

 したがって、この証拠能力がない公図については、「現地照合調査義務はない」ということになります。公図については、証拠能力はなく、参考資料にとどまる、ということですね。

 

 

 

 

 

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2025年11月16日