給水装置申込金をめぐる紛争

 設備調査では、思わぬトラブルが発生したという事例がたくさんあります。

 

 こんな事件がありました。

 

 競売で売却処分された住宅の前所有者は、「給水装置の所有権は移転していない」として、競落人を相手に、「給水加入金相当額の165,000円を支払え」と訴訟を起こしたのです。

 

 平成19年09月28日、千葉地方裁判所は、「給水装置は,配水管から分岐して設けられた給水管並びにこれに直結する分水栓,止水栓及び給水栓をもって構成されており,量水器とは,給水装置に備えられる付属用具の一つにすぎない。

 給水管及びこれと一体となっている分水栓,止水栓及び給水栓は,本件建物に付合しており,本件建物の所有者に属していると認めるのが相当である。

 本件不動産についての競売手続における評価書には,本件不動産の概況として「上水道有」とされており,給水装置が使用可能であることが本件不動産の評価額に反映されていると考えられることが認められる」として、前所有者の訴えを棄却しました。


 区分所有マンションの場合は、給水装置をめぐる紛争は聞かれませんが、一戸建の場合は、売主が引っ越し先の住宅に量水器を移転してしまい、買主が引っ越したときには、「量水器がなく、水も出ない」といった不動産トラブルがありました。

 その時は、売主の弁護士から、「名義変更手続きが必要な給水装置で、所有者名義は名義変更をしておらず、給水装置の所有者は売主にある。」と主張してきました。媒介をした宅建業者は仕方なく、買主のために、申込負担金を代払いしました。

 

 この判例は、「給水装置は売買対象物件の従物だから、売主は給水装置を、特別に、意思表示をしていない場合は、売買物件に付帯する。残置物のすべては、引き渡し時に、所有権が買主に移転する。」という趣旨と推定されます。

 

 この給水装置の設置工事の際、給水加入金(地域により、「局納金」とも言われます。)を納める水道局は多い。

 このようなトラブル防止ため、不動産の所有権移転の後、新しい名義人の登記事項証明書を持参して、水道局に対して、「給水装置所有者変更届」の提出を、買主に勧めることが大切です。

 

 

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「千葉市との協力文書・都市計画法・建築基準法その他法令の制限の概要」

「開発文書・重要事項調査説明方法基準」2024年7月8日版

「開発文書・災害時にも対応する私道の念書」

「開発文書・売主の不動産情報告知書」2024年2月版

「開発文書・契約内容不適合確認合意書」2023年11月版

「法令・2023.4.1施行・法務省通達 抜粋(買戻特約の抹消)

「法令・2012.4月施行・森林法・所有者変更届出義務パンフ 」

「開発文書・初回の現地調査チェックシート」

「開発文書・不動産情報告知書2024.2.10土地・古家付土地用」

「開発文書・不動産情報告知書2024.2.10土地・区分建物用」

「開発文書・不動産情報告知書2024.2.10土地・土地建物用」

 


 

2024年10月25日