筆界特定の有無の調べ方!

 ”筆界特定”という言葉は、皆さん聞きなれないことでしょう。

 

 しかし、これは、とても重要な事項です。 

 

 「土地の登記事項証明書」の1ページの表題部の2行目に、「筆界特定」欄があります。

 

 そこが、「余白」と記載されていることを確認します。

 この欄に、「日付と整理番号」が記載されているときは、「土地に筆界特定あり」ということになります。

 

 筆界特定制度は、平成18年1月20日に施行されました。

 簡単に述べますと、「売主が100坪の土地を所有し、その内の50坪を分筆して売却を計画したところ、隣接地主の一人が境界確認書に実印を押印しないため、分筆登記ができず売却ができない」などの理由により、筆界特定登記官に、筆界特定を申請する制度です。

 

 境界訴訟は、「所有権確認訴訟」と「境界確定訴訟」とがあり、「所有権確認訴訟は、当事者の合意で解決ができます。」

 しかし、「境界確定訴訟は、当事者で合意することはできない」ため、境界確定には、数年の年月を要していました。

 

 この制度では、10カ月程度で処理されるようになりました。

 不動産登記法の罰則規定もあり、隣地と疎遠な関係でも、「検査を拒み、妨げ、又は忌避した者」や「質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者」、「立入りを拒み、又は妨げた者」には30万円以下の罰金があります。

 

 この制度の問題は、「所有権境」はノータッチで、「筆界」を特定するだけです。

 筆界特定されると、別途、所有権境も存在するという、2種類の境界線が存在し、「将来、筆界又は所有権境のいずれかが実際の所有権境となる場合がある」というように、最悪の状況を想定した重要事項説明が必要です。

 

 制度の発足から一昨年3月末までに処理された筆界特定件数は、全国で31,000件を超えているため、土地の登記事項証明書の2行目に番号と日付があるときは、必ず、「筆界特定書の写しをください」と言って、申請をすることが大切です。

 



 

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2024年03月16日