境界非明示特約は信義則違反の可能性?

 売買契約において、「境界非明示特約」を付加する場合は、注意が必要です。例えば、敷地境界の非明示による不動産取引で、後日、隣地が1.0m幅の敷地越境の事実が判明した場合、売主は、買主から損害賠償請求を受ける可能性があります。また、仲介業者も不真正連帯債務として損害賠償請求される可能性があります。


 過去の事例では、「契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負う」(平成23年4月22日、最高裁)としています。

 

 民法第1条の信義則上の義務に違反した境界非明示取引による買主の損害に対しては、売主側に不法行為責任による損害賠償請求が行われ、20年間の時効により責任が加重される可能性があるため、注意が必要です。

 

 

 

 

 

2023年02月25日